君のままでいて、夢は夢のままでいて
2年越しの夢が叶うのです。
報われない片思いからずいぶんとたいそれて、出会った頃から結婚したいと思っていた彼と来年結婚します。
3月には同居します。
わたしは倒れてしまいました。
夢を受け入れる器がなかったのです。
いわゆる毒親の元育ってきました。
小学校5年生、ほんとの、少女の頃から希死観念を持っていました。
愛読書は太宰治、メンヘラ界隈では珍しくない、ありがちな子でした。
人と違う、わたしは人間のレベルに達していないのだ、と、死にたいと思いながらも生き長らえておりました。
さて四半世紀が経ち、なにも変わらんものです。
メンヘラレベルがこの1ヶ月でぐぐんと上がって左腕がゾンビになったくらい。
わたしが自我を形成したのは文字でした。
おとなしい目立たない女の子でしかいられなく、その頃の感情表現は反抗期としか見てもらえない怒り、爆発。動物のように暴れ狂うことだけでした。
自分が嫌いで嫌いでたまらなくて、文章を書くときには僕、と名乗りました。
性別を捨て、何が生まれるか必死でカタカタとキーボードを打っては稚拙なものが許さずに消し、またカタカタと活字をあらわしてみるのでした。
そんなわたしを救った文学は労働と疲労により離れて行き、ついには毎日精神薬漬けの日々を過ごしています。
しばらく隠していた病気の件と結婚が決まった事を伝えようと、それから、子供の頃の鬱憤を、結婚前にぶちまけてしまおうと両親どちらにも電話をしたのですが、分かったのはただ、両親はどちらとも、親という意識がなかったということだけでした。
彼は底抜けの愛情を、無償の愛を惜しまなくくれるのですが、本来ならばそれは親からもらうものだと思うのです。
なぜ子供の頃には貰えなかったのだろうかと、素敵なものを彼からたくさん注がれているのに、とても悲しくて耐えられませんでした。
わたしはひとり。
ひとりで生きてきました。
お金をくれるひと、ただ名前としてのお父さんと、ごはんを作ってくれるひと、お母さんと、同居していただけだったのです。
予想していたよりとても虚しい。
ヒストリーのない薄っぺらな人間になったなあ。なんて思います。
ほんとうのお父さんとお母さんが欲しい。
彼はどんなにやさしくても、お父さんになってくれると申し出てくれても、彼は彼です。のちに、旦那様です。
早死にがしたい。
結婚は決まったけれど、早死にがしたいという希望はいつまで経っても消えません。
しあわせになれない呪いをかけられています。
そんな感じです。
結婚したい!って夢見てた、その時に戻りたい。
わたしは何か肩書きが欲しい。
ヒストリーが無い代わりになるような大きななにかが。