文才へ

思い返すのはいつだろう

いつでも私は不幸だった

過去に囚われ、罵倒と嫌悪にまみれてそれらはイバラのように纏わり付き、毒が身体に回るのだ

いつだって自信がなく、やりたいこともなく、ただこのまま、何もないまま、少女のまま朽ちていきたかった

それでも生活に追われ、仕事を始めると文才が死んだ

よくある話で仕事先の人間と結婚をし、生き直すかのように子供のような感情が飛び出した

煙草をふかしていた少女はもう死んだのだ

死んだ少女に思いを馳せるのは未練なんだろうか

同じ身体、同じ脳のはずなのに、もう、何も思いつかないんだよ